なかなか意見がまとまらなかったので、結局祐輔が適当に割り振ってくれた。


その結果。




「ええと、加納さん、よろしく………」



「………うん。よろしくね」




なんと俺は、加納さんと一緒に図書館で調べ物をする係になったのだ。



もちろん、二人でというわけではない。


孝一と有川さんも一緒に、四人で。



思いがけない、でも本当は心の底で少しだけ期待していた展開に、俺はどうしていいか分からない。



だから俺は、加納さんから目を逸らして、みんなに対して訊ねた。




「そういえばさ。

社会科見学ってどこ行ったの?

俺、なにも知らないんだ」




祐輔が「あー、そういえばそっか」と頷く。


それから聡太を見て、




「たしか、なんとか資料館だったよな」



と言った。


俺はぷっと吹き出して、




「なんだよそれ! その『なんとか』の部分が知りたいんだって」



「でも、忘れたよ、もう」



「先々週だもんな」



「うそだろ!」



「本当だよ。なんか、戦争っぽいとこだったよな」



「そうそう、戦闘機とか写真とか飾ってあったよな」