「だいたいグループ組めたか?

じゃあ、それぞれ机くっつけて、これからの話し合いをすること!」




担任の指示でみんなが動き始めた。



加納さんたちのグループが俺らのところにやってきて、「よろしくね」と控えめに言った。


祐輔たちも「よろしく」と落ち着かない感じで返している。



俺の斜向かいに、加納さんが座った。


こんなに近くに加納さんがいるのは初めてかもしれない。


なんとなく、その姿を視界に入れるのが気まずくて、俺はずっと、反対の斜向かいに座っている聡太のほうに目を向けていた。




「じゃ、とりあえず、どんな係がいるか決めようぜ」




こういう場面でリーダーシップを発揮するのが得意な祐輔が、生き生きした感じで仕切りはじめた。



俺は黙って祐輔たちの話し合いの結論が出るのを待つ。




「じゃあ、図書館とかインターネットで調べる係と、年寄りにインタビューする係と、調べたこと紙にまとめる係だな。

それぞれ、どの係がいいか考えて」