目標の女子グループを素通りしてしまった俺の背中を、祐輔たちが固唾を呑んで見守っているのを感じる。



俺はそのままゆっくりと歩き続け、ぴたりと足を止めた。



目の前には、加納さんの姿があった。



加納さんは、グループの端のほうに座って、やっぱりいつものように、すこし視線を上のほうに向けてぼんやりしていた。




どくどくと心臓が高鳴る。



俺は大きく息を吸いこんで、意を決して口を開いた。




「………俺たちと一緒にやらない?」




そう言った瞬間、加納さんの顔がすっと俺のほうを向いた。



同じグループの女子たちもーーたしか橋口さんや有川さん、竹田さんだったかな?

彼女たちも、少し驚いたように俺を見上げている。



俺は精一杯の笑顔を浮かべて、




「よかったら、俺らのグループと組んでくれない?

高田とか吉川のグループなんだけど」




と言った。