それから一斉に移動して、同じ班のメンバーで固まり、ペアになる女子グループを決める。



教室じゅうを視線が飛び交うのが分かった。


一番やりやすそうなグループはどこか、気の合うメンバーがいるのはどこか、品定めをしているのだ。



さらに言えば、気になる相手や好きな人がいるグループを確かめているやつもいるだろう。


そう言う俺も、気がついたら、加納さんがいるグループを視界の端で確認してしまっていた。



加納さんは、ときどき会話をしている、わりと大人しい感じの女子たちのグループに入っている。




「な、どこと組む?」



「あー、小川のとこがよくね?」



「そうだな、誰か声かけてこいよ」




祐輔や聡太たちが話し合っている。


小川さんのグループというのは、クラスの中でも一番派手で目立つ女子たちだ。