「ヤンキー? ほんとに?

全然そんなふうには見えないけど」




 俺は表情を変えないように気をつけながら、ただ思ったことを口にしただけ、という感じで言った。



 すると聡太が、「たしかに見た目はヤンキーってほどでもないけどさ」と言ってから、ちらりと加納さんを見て、



「でも、先生に対する態度とか、マジでやべえんだぜ?

超反抗的なの、びっくりするくらい」



とこそこそ俺に耳打ちした。


 俺は首を傾げ、



「そう? 普通に大人しく授業受けてるじゃん。

少なくとも、俺がここに来てからは、反抗的なのとか見たことないけど」



と返す。


 佑輔と聡太が「そうなんだよ」と声を揃えた。



「最近、急に大人しくっつうか、反抗しなくなったんだよな」



「そうそう、前はすげえ目つきで先生のこと睨んだりしてたのに」



「クラスの奴らと話すことも全然なかったよな」



「だよな。最近はちょっと女子と喋ったりしてるけど」