「涼のこと好きかも、って思ったのは、あの花瓶の事件のときかな。

涼が助けてくれたから………びっくりしたけど、すごく嬉しかったの。


でも、もしかしたら勘違いかもって、

彰の面影を追ってるだけかもしれないって、ずっと迷ってた。


それでも、自分の気持ちをちゃんと考えて……彰とは違う意味で涼のことが好きって、確信した。


だから、涼が、好きって言ってくれて、ちょっと泣きそうだったよ」




百合が笑いながら俺を見る。


俺も笑った。




「じゃあ、もしかして、俺たち、両想いってやつ?」



「うん、たぶん」



「なんだよ、たぶんって!」



「あはははっ」




百合が楽しげな笑い声を上げた。



学校では見せてくれない顔。


きっと誰も見たことがない顔。




俺だけに見せてくれている。