「………え?」




俺はぽかんと口を開いたままの間抜けな表情で百合を見つめる。



百合は今にも泣き出しそうな潤んだ瞳でじっと俺を射抜く。




「………涼は、彰の生まれ変わりだよ。

あたしには分かる。


顔はあんまり似てないけど………ちょっとした仕草とか、喋り方とか、

雰囲気とか………優しいとこも。


いつもは控え目だけど、いざというときは強い。

優しくて、強いの。


似てる、すごく………」




百合は切なげだけど愛おしむような表情で言った。




…………俺が、生まれ変わり?



百合が好きになった人の生まれ変わり?




嬉しいような、切ないような、複雑な気分だった。



だって、百合の顔を見ていれば、すぐに分かる。



百合は本当に彰さんのことを愛していて、そして、今でも愛しているって。