あ、気づいてくれた、と思って、俺は嬉しくなった。


 にこっ、と微笑むと、加納さんは戸惑ったように瞬きをして、すっと目を逸らしてしまった。



 失敗した………。


 これから挽回しよう。




 そんなふうにして、俺の新しい学校生活は始まった。




 馴染めるかどうか不安だったけど、みんな明るくて元気なやつばっかりで、転校初日から色々と話しかけてもらった。


 サッカー部に入るつもりだと言うと、サッカー部のやつらが集まってきて、すぐに仲良くなった。



 にぎやかなクラスで、昼休みなんかはかなり賑やかだ。


 明るいクラスでよかった、と俺はほっとした。



 ………でも、気になることが一つ。


 加納さんは、どうも、クラスの中で浮いているようなのだ。