「このメッセージを、何年後かにもう一度読んだ時、その時のあたし達がどうなってるか楽しみだわ!」


あたしがいたずらっぽく笑う。


すると、陽もだらしなく目尻を下げて、ふにゃりと笑った。


「ははっ!本当にかなわないなぁ、朔乃先生には」


しばらく声をあげてあどけなく笑う姿に、思わず目を奪われていると。


陽は、仕返しと言わんばかりに今度はあたしの卒業アルバムの寄せ書きに一言付け足した。



【これからもよろしくお願いします。
朔乃】



そこに綴られた文字に目を疑った。


だって、“朔乃”って……呼び捨て……。


驚いて顔を上げれば、陽は赤く染まった頬を緩ませる。その優しい表情に、あたしまでつられて顔が熱くなる。


「僕だって一応男なのでね!やられっぱなしでいるわけにはいきませんから!」


何だ、そのわけのわからない理屈は!