星奈に手を引かれながら戻ると、クラスの皆やあたしにボールを当ててきた人まで心配して駆け寄ってきてくれた。


「勝ててる?」


あたしが聞くと、「負けちゃった~」とクラスメイトが悔しそうに言う。


あたし達のクラスはあのあと早々に負けてしまい、皆そのあとの他クラスの試合を見学していた。


今は優勝を決める試合で、なんと天川さんのクラスが戦っていた。


相手のクラスに知り合いがいないので、あたしは天川さんのクラスの方を応援しようかな。


そんなことを考えていると、見学中の生徒の中に陽が見えた。


その視線の先を追ってみると……ああ、やっぱり。


予想通り、天川さんを見つめている。


天川さんが活躍すれば喜び、危ない場面になれば慌てている。
陽も、天川さんのクラスを応援しているのは誰がどう見ても明らかだった。