「でもさぁ」と、この場にそぐわないほどの明るい声で言った。
「振られるって100%決まったわけじゃなくない?」
それから畳み掛けるように、星奈のお説教にも近い言葉の数々があたしに猛攻撃を仕掛けてきた。
「だいたい、何で振られるって思ったの?有明くんがまだ天川さんを見てるから?そんなの当たり前でしょ好きだったんだから。
でもだからって、今でもまだ有明くんが、朔乃のことが目に入らないほど天川さんのことを好きとは限らないし。もしかしたら、今頑張って諦めようとしてるところかもしれないよ。だって、天川さんにはもう大宙くんっていう彼氏がいるんだから。
ていうか、そもそも朔乃は有明くん本人じゃないんだから有明くんの本当の気持ちなんてわかんないじゃん。だから、どうせ振られるとか、きっと困らせるとか、そんなの考えるだけ時間の無駄!」
「せ、星奈……」
ぐさぐさと容赦なく突き刺さっていく星奈の言葉たち。
星奈の形相は真剣そのもので少し怖いけど、その言葉はどれもこれも的を得ていてまっすぐにあたしの心に届いてくる。