「伝えたいよ。でも、やっぱり振られることがわかってるからさ、ほんの少し勇気が足りなくて……。ほんっと意気地なしだよね、陽にはあんな偉そうなこと言ったくせにさ」
「そんなこと……。誰だって告白するのは怖いもん」
星奈はそう言ってフォローしてくれたけど、いざ自分が言う立場になったら、こうやってうじうじといろいろなことを考えて。理由をつけては逃げてばかり。
情けないったら、ありゃしない。
でも、仮に言えたとしても、陽はきっと悲しそうに切なそうに困った顔をするんだろうな。
それを見るのが嫌だったりもする。
だからといって、このままずっと、大学に入ってまでこの距離感の関係を続けるのも本当は嫌だ。
“先生”から抜け出したいとは思ってる。
「朔乃……」
「ごめんね、こんな話……。何が恋愛の先生だよって感じだね」
苦笑するあたしの頭を、星奈が励ますように数回撫でたあと。