……鼻血を出したのなんて、まじで何年ぶりだろう。


「まさか高校生にもなって、学校で両鼻にティッシュを詰めることになるとは……」


鏡に映った間抜けな自分を見て、あたしはもうため息をつくしかない。


女子トイレで1度手を洗い、しばらく鼻血が止まるまで大人しくしておくことにした。


「朔乃!氷もらってきたよ!」


「ありがとー」


保健室から、ビニール袋に入った氷水をもらってきてくれた星奈。
あたしはハンドタオルでそれをくるんで、自分の鼻の付け根に押し当てた。


「大丈夫? あれをよけられないなんて、朔乃にしちゃ珍しいね~」


「うーん、まあ考え事してた……」


「考え事?」


うん、と頷いて、あたしは陽に告白しようと思っていてもできないことを星奈に話した。