「頑張ろうね!朔乃!」
「気合い入ってるね、星奈」
しっかりと準備運動をしている星奈を見て苦笑すると、星奈が「だって!」と大きな声をあげながらあたしの肩をがしっと掴む。
「優勝したクラスには、あの高級アイスクリーム・ハー〇ンダッツが配られるんだよ!? 絶対負けられないよ!」
おお、それは知らなかった。
先生達も、最後だからって随分と奮発してくれたものだ。
これはもう頑張るしかなさそうなので、あたしは昔どんなふうにドッジボールをやっていたか必死で思い出しながら試合に臨んだ。
「バシバシ投げてよけて、この私が優勝に導いてあげるわ!ハー〇ンダッツの為に!」
ガッツポーズをして、そう意気込んでいた星奈だったけど……。
――ドンッ!
「アウト!」
「ああーーっ!」
開始10秒で瞬殺されました。