そんなことをぼんやりと考えていると、目の前にいる人に名前を呼ばれたことでハッと我に返った。


「如月先輩?」


「……あ、ごめん。何でもない。で、話って?」


放課後になると、この可愛らしい顔立ちの後輩の男の子に、あたしは突然呼び出された。


話がある、と。


だいたい何となくだけど、何の用なのかある程度予想はついている。
最近まではほとんど無かったけど、卒業が目と鼻の先にやってきているからか、また増えてきた。


「如月先輩、実はずっと憧れてました!付き合ってください!」


そう、告白されることが。


こう言っちゃ失礼だけど、本当は、顔も合わせた覚えもない相手から、こんな告白を受けている場合ではないのだ。


でも、もう答えは決まっている。
この告白が、遊びだろうと本気だろうと関係ない。