3月になると、卒業式の準備やら練習やらで、また学校へ通うようになった。
でも、たいして日にちがあるわけではない。
あたしは決めていた。陽に告白する、と。
卒業までには絶対。
そう思ってはいても、なかなかタイミングを掴めずにいまだに言えないでいる。
早く言わなきゃダメだよ、と星奈には言われているけど、想像以上に難しい。
今まで、陽に偉そうに恋愛のことを教えてきたけど、自分のこととなるとまるでダメだ。
陽にはあんなことを言ったけど、告白したい気持ちは山ほどあっても、怖い。
だって、まだ天川さんを見つめる陽の顔が優しい。
ずっと好きだったから、そんなすぐには吹っ切れないんだと思う。
あたしはたぶん、いや、きっと振られる。
振られることがわかってて、それでもきちんと気持ちを伝えた陽は、本当にすごいなと心から思った。