学校へ到着し、先生に報告を済ませる。
先生は、まさか本当にあたしが合格するとは思ってなかったらしく、心底驚きながらも喜んでくれた。
そして、星奈に呼び出された自分たちの教室まで向かう。
2年生や1年生はまだ普通に授業がある上、今はまさしくその授業中らしく、廊下はしーんと静まり返っている。
授業中に廊下を歩いているなんて、なんだか悪いことをしているみたいで妙にドキドキしてしまう。
陽もそれは同じみたいで、少しそわそわしながらも“授業中の校舎の様子”を目に焼き付けていた。
「もうすぐ卒業しちゃうんですね、僕たち」
少し寂しそうにぽつりと陽がつぶやいた。
そうだ。もう、あと1ヶ月あるかないかであたし達はここを卒業する。
改めて思い知ると暗くなってしまうが、今はとりあえず受験からやっと解放されたわけだし、打ち上げを楽しみたい。
「しんみりするのはまだ早いよ!」
あたしはそう言い陽の背中を押して、教室へと急いだ。