「いっ!? いひゃいれす!」
つねられたまま陽が涙目になったのを見て、あたしはやっとこれが現実なのだと受け入れることができた。
「陽……あたし……」
周りも気にせずぴょんぴょんと飛び跳ねて、あたしは寒空に向かって叫んだ。
「あたし、受かったよーーーっ!!!」
あたしも陽も、見事揃って現役合格を果たすことができた。
たくさんの人が見ている中でも、体全部を使って喜びを表してしまうぐらい嬉しい。
朝からドキドキして朝ごはんも喉を通らなかったぐらいだったけど、一気に肩の荷が降りたのを感じた。
「やったー!やったよ!陽ーーーっ!」
「よかったですね!おめでとうございます!」
両手を取り合って喜びを分かち合うあたしと陽。
あの赤点を回避することで精一杯だったあたしが、まさか陽と同じ大学に合格したなんて。