でも、いつまでも逃げていてはいけない。


例え落ちてたとしても、しっかりと現実を受け止めよう!


あたしは意を決して、数字の羅列が並ぶ掲示板の前へ向かった。


受験番号という名の数学を、上から順番に追っていく。


人の頭でところどころ見えにくいけど、あたしは確かに“それ”を見つけた。


「う、嘘……」


手元の紙と、掲示板のそれを何度も何度も見比べて、その2つがきちんと一致していることを確かめる。


一文字も違っていないのだけど、それでも信じられなくて、今度は夢なんじゃないかと頬をつねってみるけど、痛い。


「朔乃先生!どうでしたか?」


隣で同じことをしていた陽が、輝かしい笑顔を向けてくるので、彼も同じなんだと悟った。


それでも、やっぱりどうしてもまさかという考えが消えなくて、今度は陽の頬をつねってみた。