何……?一体何の話だっていうの?
新しい生活って、どういうこと?
こんがらがるあたしに、お母さんは信じられない言葉を口にした。
「お母さんね、この人と……海星くんと、
再婚することにしたの」
頭が真っ白になった。
すぐには言葉の意味が理解できそうになくて、何回かお母さんの言葉を頭の中で繰り返す。
再婚っていうことは、この人があたしの新しいお義父さんになるということで、つまりは“家族”になるということで……。
「い、いつ……?」
混乱する中、しぼりだした言葉はそれだけだった。
「予定ではね……」
――ガシャーン!
お母さんの返事を聞いた途端、あたしはテーブルの上にあったコップを払い退けるように床に落とした。
「あんたは最低な母親だ!!」
あたしはそれだけ言うと、自分の部屋に閉じこもった。
下からあたしの名前を呼ぶお母さんの声がしたけど、もう知らない。