大宙くんにびしっと指で差され、あたしは突然のことにうろたえてしまう。
「え?如月さん?」
「こいつ、有明のことが好きなんだよ」
「わーーーっ!!」
首を傾げる天川さんに、大宙くんが容赦なくペラペラとバラしてしまった。
「そうだったんですか!……あ、ということは私、知らない内に如月さんの恋敵に……」
「いいから謝らないで!」
申し訳なさそうにあたしに頭を下げてくる天川さん。
もう!天川さん優しいから、絶対こうなっちゃうと思って言わなかったのに!
でも応援してくれてるのは有難い話だよね。
「ね、みんな朔乃に幸せになってほしいんだよ」
「まあ、そういうことだ」
「私たち、如月さんにはお世話になりましたから」
星奈がにこっと笑うと、大宙くんも天川さんは揃って微笑みながら頷く。
「みんな……ありがとう」
くすぐったい気持ちだけど、あたしは泣きそうになってしまうぐらい嬉しくて。
つられるように笑顔で返した。