すると、おみくじ売り場のほうから聞き覚えのある声が。


「あー!嘘だろ、何だよ“凶”って!」


「大丈夫だよ。あそこに結んでおけば」


おみくじの結果が悪かったらしく頭を抱えている男の子と、そんな彼を優しく慰める振袖姿の女の子。


あの2人はもしかして。


「大宙くん!天川さん!」


あたし達に気付いた2人は、「おお!」と声を上げながらこちらに駆け寄ってきた。


「久しぶりだな、如月!」


「あけましておめでとうございます」


片手を挙げて軽く挨拶する大宙くんとは対照的に、天川さんが深々とお辞儀をする。


あたしと星奈もそれに習うと、大宙くんも慌てて頭を下げた。


文化祭が終わってからは、学校で会うことがあまりないまま冬休みに入ってしまったので、会うのは本当に久しぶりだ。


せっかくなので、境内の隅の空いたスペースで屋台のものを食べながら話をしようということになった。