陽は、何も言わずにただ黙ってあたしの話を聞いている。


虚ろな目はしていないけど、代わりにあたしの真意を探るような目であたしを射抜く。


その視線があまりにもまっすぐで、こんな時だというのに不謹慎にドキッとした。


「偉そうなこと言ってるけど……あの日、お母さんに会って取り乱しちゃって、陽に甘えてしまった。陽を応援しなくちゃいけなかったのに、行かないでって思っちゃった。ごめん……」


ごめんね、陽。
邪魔をしたうえに、あんな場面を見せてしまって。本当にごめんなさい。


でも……これだけはわかってほしい。


「でも、頑張る陽のことを馬鹿にしたことなんか、今まで一度もなかったし、この先も絶対ないよ」



だって、あたしはその姿に惹かれたのだから。



そんなになるまで誰かを好きになってみたいと思った。
そんなになるまで誰かに好きになってもらいたいと思った。


心から、強く。