天川さんは今、7組にいる。
それがわかった途端、さらに胸がざわついた。
7組は……大宙くんがいるクラス。
「じゃあ、いってきますね、朔乃先生」
「あっ、陽、待って……」
あたしの制止が届かなかったのか、陽は7組の教室のドアのところまで向かう。が、すぐに驚いた様子で立ち止まる。
あたしが慌ててあとを追うと、その理由はすぐにわかってしまった。
「天川さん……と、大宙くん……」
教室の中で、2人きり。
天川さんは、心なしか顔が真っ赤になっているような気がする。
血の気が引いたような感覚と共に、脳が「ここから離れろ」と、警鐘を鳴らした。
「陽っ……」
必死で陽を連れて一旦戻ろうと思ったけど、陽は呆然と立ち尽くし、教室の中の光景から目を逸らせない様子。
「あの、お、大宙くん……」
天川さんが、控えめに言った時、あたしの心臓はドクンと大きく跳ね上がった。
そして……。