だから、「大丈夫!」と言い切った。


“先生”のくせに陽の邪魔をしたあたしが言えたことじゃないけど、やっぱり伝えなきゃいけない。陽の今までの気持ち全部。


そしてあたしは、最後まで応援しなきゃいけない。これは、あの日、陽の恋愛の“先生”になったあの日から決められていた義務だ。


思わず我を失ってしまっていたけど、もう“先生”になる資格なんてないけど、それでも……。


あたしに人を好きになることを教えてくれた、陽のあのキラキラとした目の輝きだけは、たぶん一生忘れることなんてできないから。


「陽。天川さんと文化祭一緒に回れなくても、好きだってことは伝えられるよね」


あたしの言葉に、陽の顔が真剣味を帯びてくる。その手に力がこもっていくのもわかった。


「あたしのわがままに付き合わせちゃったのに、偉そうなこと言ってごめん。でも……」


もう失格だけど、それでもあの日、陽はあたしを選んでくれた。