それから、あたしと陽と星奈と、それから天川さんという、いまだかつてない異様なメンバーで様々な屋台を回った。


天川さんは今まであまり接点がなかったけど、ちゃんと話してみるとすごくいい子で気さくで、陽とのことがなかったら普通に友達としてやっていけたぐらい。


陽が好きになるのも無理ないな、と改めて実感してしまった。


綿あめ、たこ焼き、チョコバナナにりんご飴。


それらを回り終えたところで、そろそろお祭りには欠かせないヨーヨー欲しいということになり、ヨーヨーの屋台を探しはじめる。


すると、その途中の金魚すくいの屋台の前で、突然天川さんが足を止めた。


「あ……」


小さくそう言って立ち止まったので、あたし達もそれに気付いて立ち止まる。


「兄ちゃん、なかなか上手いじゃねーか」


「へへっ、まーな」


屋台の親父さんにそう声をかけられ得意げになっていたのは、見慣れた人物だった。