悔しいけど、本当はできることなら関わりたくないけど。
「天川さん!!」
天川さんは足を止め、不思議そうな顔でこちらを振り返る。
陽と星奈も、いきなりどうしたものかと驚いていた。
あたしも、自分で自分がわからない。
お人好しすぎると思うけど、あたしは陽の“先生”だから。
「天川さん。良かったら、友達が見つかるまであたし達と一緒に回らない?」
「え……?でも、お邪魔じゃないかしら……」
あたしの誘いに、天川さんは控えめに答える。
そうだよ、と心の中で思いつつも、あたしは「そんなことないよ」と笑顔を向けた。
「せっかくお祭りに来たんだから、楽しもうよ!陽も星奈もいいでしょ?」
「もちろんです!」
「私は、朔乃がいいならいいけど……」
「如月さん……ありがとう」
可愛らしく微笑む天川さんを連れて、あたしは陽の目的の綿あめ屋さんを目指す。
嬉しそうな陽とは裏腹に、星奈が頭を抱えてため息をついたのがわかった。