そして、当日。
待ち合わせは学校の校門前。
星奈によれば、お祭りがやっている場所は学校からそう遠くない場所にある神社らしい。
皆がわかりやすいから、とここに集まることになった。
時刻は夕方4時50分。夏なので、まだ日も暮れていない。
あたしが星奈と一緒に待ち合わせ場所に向かうと、まだ1人しか来ていなくて、その人物は案の定、陽だった。
「陽!」
声をかけると、読んでいた本から顔をあげ、陽は嬉しそうに手を振る。
「お久しぶりです、朔乃先生。星奈さんも」
「久しぶり~、有明くん」
にこにこと微笑む陽と星奈。
あたしはというと、陽の着ている服に釘付け。
だって、陽が着ていたのは、あたしがデートの予行演習の時に見立ててあげた服だったから。
「有明くん、意外と私服かっこいいんだね」
何も知らない星奈が驚いたように言うと、陽はちらりとあたしに目を向け、嬉しそうに笑うと。
「お気に入りなんですよ」
そう言ってくれたものだから、あたしの心臓はバックバクだった。