「言ってもきかないみたいね。わかったわ。やれるところまでやってみなさい」
やめときなさい、と反対されるかと思ったけど、先生は、あたしの背中を軽く叩いて激励してくれた。
そのエールを受けて、あたしも笑顔になる。
「はい!」
これから頑張るんだ、そう思って返事はしたあたしに、先生はすぐさま試練を与えてきた。
「一応、親御さんにも話しておきなさいね」
「えっ……」
親に……つまりは、お母さんに。
もう何日も話していないどころか、顔も見ていない相手にわざわざ言わなきゃいけないのだろうか。
そんなふうに考えたあたしを制するみたいに、先生は「如月さんの大事な将来のことだから」と付け足してきた。
「……わ、わかりました」
やだ、な……。
とりあえず、今日やるべきことは終わったので、あたしは学校をあとにする。
重い気持ちを抱えたまま……。