「やったぁ!」


「すごい、星奈!」


あたしは、親友の見事なレースに、同じクラスの子と手を取り合い、喜びを分かちあった。


しばらくして、応援席に星奈が帰ってきた。


「このあんぱん、なんかふごいおいひい」


食べかけのパンを頬張りながら、星奈が「1位だったよ!」と、ドヤ顔をしてくるけど。


「星奈。パン食べながらじゃ、全然きまってないから」


呆れながら突っ込むあたし。


そんなあたしたちのやり取りを見ていたクラスの子たちがどっと笑った。


〈続いての競技は、三人四脚です……〉


そんな放送が入り、自分のクラスの応援をしようと、星奈が1番前に陣取る。


星奈に引っ張られ、あたしも1番前に出ると、見覚えのある人が走っておるのが視界に映った。