あっという間に放課後になった。
今日は、陽がいないから放課後残る必要もない。
「久しぶりに一緒に帰れるね!」
「うんっ」
嬉しそうに話す星奈。あたしも笑顔で頷く。
帰りに、駅前のケーキがあるカフェに寄ろうという話になった。
「……あ、ごめん。忘れ物」
玄関でローファーに履き替えようとした時に、体育着を教室に置きっぱなしにしていたことを思い出す。
これからしばらくは、体育祭の練習で毎日体育の授業があるから、持って帰って洗濯しなくちゃいけない。
「ごめん、星奈。取りに行ってくるから先に行ってて。すぐ追いつくから」
「はーい」
一旦星奈と別れて、あたしは教室へと走った。
パタパタと、自分のクラスの前まで来ると、教室の中を覗いている怪しげな男子生徒がいることに気づいた。
「……?」
誰だろう?
このクラスの人じやない。
他クラスの人だとしても、何の用だろう。
教室にはもう誰もいないのに、中に入ろうともせずに覗いてるだけなんて。
不思議に思いながら、あたしはその男子を横目に中へ入り、ロッカーに置いてあった体育着を手にした。
すると。