授業中にも関わらず、携帯がチカチカと光り、新着メールの受信を知らせた。


【from:ハヤト】


ハヤト、は今のあたしの彼氏。
一つ年上の大学1年生で、高3のあたしを街でナンパしたのがきっかけで、まあ顔もそこそこだったのでOKして付き合い始めた。


そんな彼とは、もうすぐで付き合って3ヶ月といったところか。


【ねぇねぇ、いきなりだけどさ!今日の夜さ!
朔乃(さくの)ちゃん家行ってもいい?】


あたしは、先生に見つからないように机の下で隠しながら、即返信。


【ごめん、無理。】


すると、またもやすぐにメールが来る。
大学生は、今は休み時間なんだろうか。それとも、ハヤトのことだからサボりか真面目に受けていないのか。


【えー!何でー!】


あたしが、メールで絵文字も何もなしに、句読点の時は、“マジ”な時だというのに。
彼はそれをわかっているのかいないのか。


【何ではこっちのセリフだし。
いきなりどうしたの?
うちは、母親がいるからダメって前に言ったじゃん】


高3という大事な時期だというのに、あたしは先生の授業を右から左へと見事に流しながら、カチカチとメールを打つ。


そして、またすぐに返ってきたメールに、ため息をついた。


【朔乃ちゃんのお母さん、いっつも夜出かけて帰ってこないんでしょ?
だから、俺が一晩そばにいてあげようと思ったんだけどな〜】