日和はこの男のどこがかわいいと言うんだろう。

燿と日和は、なんでか中学のころからすごく仲良しだ。特に共通の趣味があるわけでもなさそうなんだけど、こうやってくっつくといつも楽しそうにしている。


「そーだ! 燿くんのクラスは文化祭なにすんの?」

「俺んとこは普通にカフェやるよ。日和さんとこは?」

「わたしたちはねーメイド喫茶だからー! きゃー!!」

「よっしゃ日和さんのメイド姿見に行く!」

「来て来てー! 燿くんには大サービスしちゃう!」


そうだった。思い出した。メイド喫茶やるんだった。


「……いや待て、てことは晶もやんの?」

「あたしはやんないよ。キッチンでご飯作ってる」

「なんだ、よかった」

「よかったとはなんだコラ」

「いやー、さすがにおまえのメイド姿なんて見たら犠牲者続出なんじゃねえかと……」

「ほお。そんなに殴られたいか、そうかそうか」


失礼しちゃう。

まあ、あたしもあんなヒラッヒラでブリッブリのコスチュームなんか死んでも着たくないけど。似合わないだろうし。

そもそもメイド喫茶なんて発案したの誰だよ。受験生にもなって恥ずかしくないのか!