「燿とメシ行ったっつったじゃん。そのときに色々と聞いたよ。おまえ、燿に怪我させたやつにブチギレたらしいなー」

「ううっ……」


またあの馬鹿は余計なことを。帰ったらシメる。もうあと3週間くらい寝ていやがれ、こんちくしょう。


「すみません……」

「なんで謝んの。俺、晶のそういうとこに惚れてんだけどな」

「それは絶対に嘘ですっ」

「あはは、なんでだよ。……かっこいいよ、おまえ。前も言ったけど。昔からすげーかっこよかった。でもほんとはすげーかわいいことも知ってる」

「せ、せんぱい……っ」

「すげーかっこよくて、かわいくて、きれいで。最強だよな、おまえ」


ああもう、そろそろ意識が飛びそうだ。

暗闇なんか大嫌いだけど、いまだけは暗くてよかったと思う。こんな顔、先輩に見られていたら、それこそぶっ倒れる。自信ある。


「ぜひ俺に寄りかかってください」

「へっ?」

「だから俺も、晶に寄りかからせてください」

「……っはい……!」


絶対に、絶対に。こんな素敵なひとがあたしを好きになってくれることなんか絶対にないって、ずっと思っていた。

あってあたしには、誰にでもかわいがられてしまう弟がいて。例のごとく、先輩も燿をとてもかわいがっていて。あたしはそのオマケでしかないんだろうなって。

だからこそ、……嬉しくて死にそうだ。


「先輩、好きです……あたし、先輩が大好きですっ……」

「うん。俺も晶が大好きだ」


涙が止まらない。