「……なに、してんの」

「気持ちの証明だよ」


嘘つけ。俺のことなんか好きじゃないくせに。馬鹿にしてんのかよ。

そんな泣きそうな顔で言われたって、全然、まったく、これっぽっちも。嬉しくなんかない。むしろ腹が立つっての。


「……だったら慰めてよ」

「ひかるく……」

「俺いま、すっげーむしゃくしゃしてんだ。だから慰めてよ、日和さん」


最低なやつだって思われるかもしれない。でも仕方ない。本当はこんなふうに嫌われたくなんかなかったんだけどな。

日和さんが悪いんだ、全部。


戸惑っている彼女の手首を強引に掴んで、今度は俺からキスをした。さっきよりももっと深いやつ。本当は押し倒してやりたかったけど、右脚のせいでそれは断念した。


「……んっ、ふ……っ」


重なっているくちびるのあいだから、彼女の甘い声が漏れる。そうくんとやらは彼女のこんな声を幾度となく聞いているのかと思うと、なんかもう、どうしようもなくなった。

夢中でキスをしながら制服のネクタイに手を掛けて外し、シャツのボタンを上から4つ開けてやる。

すると、びっくりするほど白く、きれいな肌が覗いた。


「やっ……」

「声、あんま出さないで」


首筋にくちびるを這わせると、日和さんの肩がびくっと跳ねる。同時に、その赤いくちびるから小さな声が漏れる。

鳥肌が立った。背中がぞくっとした。喉が鳴った。俺、べつに強引にする趣味はねえはずなんだけどな。

最後までするつもりなんかまったくなかったけれど、あまりにも従順な彼女に、もう最後までしてやろうかとすら思った。抵抗してくれねえとこっちも引っ込みがつかねんだよ。