それはゆりあが確かにここにいる証。


「ゆりあが笑ってくれると、僕も嬉しいから」

「私も優太が笑っていると、嬉しいよ」

「なにそれ。照れるなあ。ゆりあはいつも僕の心をさらっていくね」

「だって優太が私を好きでいてくれるように、頑張ってるもん。優太のこと、本当に大好きだから。世界で一番、愛してるから」


言葉につまって会話を止めてしまったのは僕のほう。


愛してる、だなんて──そんなこと。


言われた方もすごく恥ずかしいじゃないか。


けれど、とても嬉しいよ。


僕の肩に頭を乗せるきみの表情はわからないけどね、きみがどんな気持ちで言ってくれたのかは痛いほど分かるから。


分かっているつもりだから。


心配しなくても、僕もゆりあを愛してる。


この世界に溢れ散らばる言葉をいくら探しても見つからないほど、僕はきみを愛してるんだ。


観覧車が地上に再びたどり着くまで、僕たちは身を寄せあい穏やかな時の流れを感じた。


この一分一秒ですら、きみの存在を溢さないように全身に刻み込んだ。


強く、深く。


きみが僕の隣にいたことを、僕がきみの隣にいたことを、これから何年経っても忘れてしまわないように。


色褪せてしまわないように。