それはまるで、ひとつの映画を見ているような光景。
その光景は僕の涙を誘う。そして僕の心を掴む。
こんなにも素敵な親子の形があるのかと、そう感動せずにはいられなかった。
「……生きよう、透子。僕らの娘に負けないように。いつかまた会えたとき、自分の生き方に誇りをもってあの子をこの手に抱きしめられるように」
父親って、なんだろう。
「……そうね、あの子は私たちの自慢の娘だもの。そんな娘を悲しませるわけにはいかないものね。あの子が私たちの笑顔を好きでいてくれているように、私たちもゆりあの笑顔が何よりも好きだもの」
母親って、なんだろう。
「……お父さん、お母さん。ずっと大好きだからね。私たちはいつまでも家族だよ。なにがあっても、私はふたりをずっと見守ってるよ。お父さんとお母さんの娘に生まれてくることができて、本当によかった」
我が子って、なんだろう。
どの立場にもなったことのない僕には、その答えはもちろん分からない。
けれどね、僕はその答えを今、目にすることができたような気がするよ。
家族の形は人それぞれだ。
人がひとりひとり違うように、家族の形もひとつひとつ違う。
確かに、違う。
……けれど、変わらないものもある。
それは、家族の絆。