雲ひとつない快晴に木々の木の葉はきらりと芽吹く。


そこから覗くのは街をぎらぎらと差す日射し。


アスファルトから反射する熱のせいで、この街は熱くのぼせていた。


そして僕はそのアスファルトの上を、きみを自転車の後ろへ乗せてひたすらにこぐ。


きみは僕のお腹に手を回しながら、ただずっと楽しそうにはしゃいでいる。


ほら、もうそろそろ坂道だ。


「ゆりあ、降りるよ?しっかり僕に捕まっているんだよ」

「わかった。優太にぎゅって捕まってるね」


ゆりあの腕の強さがほどほどに強まるのを感じた僕は、念のためブレーキに両手をかけ、坂道を下る。


ああ、とても気持ちいい。


鼻を掠める風の匂いも、世界を彩る街の色も、僕らを照らす日射しですらも、全てが心地いい。


まるでこの世界に存在するもの全てが僕の味方になったように、僕の体にすんなりと入り込んでいく。


……後ろにあるゆりあの温もりだって。


僕の体の一部だなんて言い方はとても大袈裟かもしれないけれど、それくらい僕の体にゆりあの熱がきれいに溶け込んでいくのが分かるんだ。


僕の後ろでこどものようにはしゃぐきみに頬を緩めながら自転車を進ませていると、ゆりあが教えてくれた通り、住宅街を抜けた一角の左手側に人気のないひろっぱが見えてきた。