真っ白な頬を懸命に動かしてパンケーキをパクパクと食べるゆりあ。


これ美味しい、ここふわふわ、なんて言いながらひとりで食べているからそれが妙に面白くて、僕は笑みをこぼす。


そしたらゆりあはパッと顔を上げ、僕をジーっと見つめてきた。


僕の顔になにかついているのだろうか。


向けられた視線の意味が分からず首を傾げると、ゆりあは顔を真っ赤にして俯いてしまったから、ますますゆりあが何を言いたいのか分からなくなる。


ゆりあがきちんと自分の声に出してくれるまで待っていようと決めて、僕は微笑みながらゆりあを見つめていた。


そのまま数秒が流れて、ゆりあが僕を見上げてくれたことによりようやくゆりあと目が合う。


白い肌が真っ赤に染まっているその表情を見て、不覚にも可愛いと思ってしまった。


「ゆりあ、どうしたの?」


尋ねると、ゆりあは口をモゴモゴと動かして目を潤ませるから、どうしたものかと僕の心が騒がしくなる。


僕を見つめるゆりあの瞳は、とてもきれいな色をしていた。


「……優太、これ、食べる?」

「え?」

「いらないなら、いいんだけどね。すごく美味しいから、優太にも食べてほしいなあって」


恥ずかしそうに笑ったきみに、きっと僕はまた恋をした。


きみはいつだって僕を離してくれないんだから、困ったものだよ。


「そんなに、美味しいの?」

「とっても美味しい。ほっぺたが落ちちゃうくらい」

「ゆりあは可愛いなあ」

「うるさい、優太。さっさとこれ食べて」


睨まれながら差し出されたお皿の上には、二口分にカットされた可愛いパンケーキ。