ひまわり畑にきみときて、どれくらい経っただろうか──。


きみと手をつないでひまわり畑を眺めたり、ひまわりに隠れてかくれんぼをしたり、かけっこをしたり。


そうしているうちに太陽の光は強さを増して、肌をじりじりと焦がすような日光に変わった。


「はい、ゆりあ。これで少しは暑さを和らげると思うよ」


牧場の隅っこにあるおじさんの妹が経営しているソフトクリーム屋さんで、ゆりあの大好きなイチゴ味のソフトクリームを買って持っていくと、ゆりあは心底嬉しそうな顔をして目を輝かせた。


純粋無垢なその笑顔に、僕の頬も少し緩む。


「私の好きなイチゴだあ。優太よく覚えてたね」

「当たり前でしょ。イチゴに、みかんに、パイナップル。全部覚えてるよ」

「すごいね。さすが優太だ。優太のは何味なの?真っ白だから、バニラ?」

「バニラだけど、ここの牧場の牛から絞った牛乳を使った濃厚バニラだって」

「へぇ、美味しそうだね。ねぇ、優太、もう食べていい?」


とびきりの笑顔で僕を見上げるゆりあにうんと頷き、僕も自分のソフトクリームに口をつける。


僕は実は、甘いものが苦手だ。


だからソフトクリームは、甘さが控えめであるとおじさんの妹が言っていた甘さ控えめのやつにしたのだけど。


うん、これなら僕でも食べられる。


そんなに甘くない牛乳の味が口の中全体に広がり、体から熱を逃がしてくれているようだ。


隣を見ると、ゆりあも一生懸命ソフトクリームを食べていて、その姿が幼いこどものようで自然と笑っていた。