朝の太陽がさんさんと照らす下を、きみとふたり並んで歩く。


ひまわり畑にいるのは僕たちだけで、ふたりきりに思えるこの世界観に酔いしれてしまいそうだ。


耳に入るのはさらさらと流れる風の音とミーンと奏でるセミの声、そして牛が遠くの方でモーモーと鳴いていた。


辺りを見渡す限りに全面に広がるひまわり畑はあの頃と変わらずきらめいていて、黄色とオレンジのコントラストがより世界を明るく彩る。


「優太、すっごくきれいだね」


そして、僕の大好きなきみも。


太陽に向かって凛と咲くひまわりたちに負けないくらい輝いていて、きみの笑顔が眩しくて僕はきみをまっすぐに見ていられなくなる。


思えば一年前もそうだった。


きみがあまりにも眩しい顔で笑うから、僕はドキドキで死んでしまいそうで、初デートなのにきみに気ばかりを使わせてしまったっけ。


“優太くん、手、つなぎたいなあ”


そう言ってくれたのも、ゆりあからだった。


自分から行動を起こすことが苦手だった僕に、ゆりあは真っ赤な顔で手を差し伸べてくれたんだよね。


まあ、今もそれは治ってなくて自分から行動することは苦手なんだけれど、それでも前よりは格段に成長したと思う。


だからほら、僕は。


ひまわりを眺めながらにこにこしているゆりあの手に、自分の手を絡めた。