……そうだよね、ゆりあ。


僕もそう思うよ。


きみの心に残る最後の僕は、僕の心に残る最後のきみは、あの頃のような輝くふたりの笑顔がいいって、そう思うんだ。


だから僕は、もうきみとのタイムリミットを感じて悲しんだりしない。


いや、それは無理かもしれないけどさ、きみの前では笑顔でいる。


僕の大好きなきみの笑顔を見ているためにも、きみの大好きな僕の笑顔をきみに見せるためにも。


「……分かったよ。今日はゆりあのやりたいことをして、行きたいところへ行って、たくさん笑って。時間なんて忘れるくらいに、楽しい日にしよう」


僕の言葉にゆりあは嬉しそうに笑って、それからこくんと大きく頷いた。


この笑顔が見られるのなら、僕はきみを笑顔にするためになんでもするよ。


だから神様。


僕ときみの時間をどうか静かに見守っていてください。


そう願いながら目の前にいたきみの背中に手をまわしてきつくきつく抱きしめると、きみは僕の首筋に顔を埋めて嬉しそうな笑みをこぼした。