好きだなあ、このモゴモゴとしたようなゆりあの笑い声。
いつもたまにしか素直になってくれないゆりあだけど、表情や声はゆりあの心の声そのまま。
こういうのを、顔に出やすいとか言うんだっけな。
「ふぁぁ……」
ゆりあの温もりを肩に感じながら自分自身で会話をしていると、隣からくぐもったような可愛い気の抜けた声が聞こえてきた。
きっとあくびだ。
「眠たいの?」
僕が聞くと、ゆりあは僕の肩に頭をのせたまま“ううん”と首を横にふった。
けれどゆりあが眠たそうにしているのは、声と目をこする手で分かる。
……僕に気をつかってくれているのかな。
僕が起きているのに自分だけが寝るのは悪い、的な感じの。
「ゆりあ、眠たいなら寝ていいよ?」
星を見上げていた目線をゆりあに一瞬移すけど、ゆりあは僕の言葉に反応しない。
「ゆりあ?」
どうしたのだろうと不安になってもう一度ゆりあの名前を呼ぶと、ゆりあは、
「優太……」
ごしごしと目を擦りながら僕の名前を仕返しのように呼んできた。