真っ黒な空に散りばめられた星をぼんやりと見上げながら。


「……行こうよ」

「え?」


不思議そうな声と同時に、肩の温もりと重みが同時に消える。


ゆりあがこっちを見ているんだと気付くまで、数秒ほどかかった。


「一緒に行こう。ひまわり畑も、ゆりあが望むのならゆりあの家にも。僕はどこへだって、ゆりあについていくよ」


この言葉に、嘘なんてなかった。


全て全て、僕の本当の気持ち。


ゆりあが行きたいとそう言ったのなら、僕はきみとどこへだって行くだろう。


この世界に大好きなきみが存在している限り、僕はきっときみから離れることはできない。


いや、恐らくきみがこの世界からいなくなってもだ。


「……優太は優しいね」

「え?」

「いつも私のわがままに付き合ってくれる。こんな私を大切にしてくれるのなんて、優太くらいしかいないんじゃないのかな」


ゆりあの方を見下げると、とても寂しそうな顔をしてぼんやりと海を見つめていた。


その表情で、今きみはなにを思っているのだろう。


「……ゆりあは、僕にとって大切な存在だよ」


こんな安っぽい言葉ではなく、もっとゆりあを安心させてあげられるようなそんな言葉が言えればいいのだろうけど、今の僕にはこんなちっぽけなことしか言えない。