……だからゆりあが好きなんだ。


いつもいじっぱりでツンとしているくせに、たまにこうして僕をドキッとさせるようなことを言うから。


僕の心を掴んで、きみは離してくれない。


きっときみが思っている以上に、僕はきみがとても好きだよ。


「……ねぇ、なにか言ってよ」

「ゆりあが好きって言ってくれたことが嬉しくて、本当に幸せ」

「ふふっ、単純だね。いつも思ってるのに。優太が好きだなあって」


頭をぐりぐりと肩に押し付けるように動くゆりあの温もりが僕の心を揺さぶる。


嬉しくもあるけれど、それと同時に切なさも込み上げてきた。


だって僕の隣にいるゆりあは、明日を迎えるのと一緒に本当に消えてしまうのだから。


だけど僕はここで泣くわけにはいかない。


「……ゆりあ」


きみの名前を呼んでみると、暗闇の中できみは嬉しそうに僕の顔を見た。