真夏くんって流れ星に似ている。

そのほかの大勢と違う特別な人で、綺麗で、みんながじっと見惚れて、嬉しい気持ちになっちゃうから。

きらって光って、空で目立って、みんなのこと、いっぱい幸せにしてくれるの。

それってすごく、流れ星みたい。


でも……あたしにとっては、ちょっと違うんだ。

真夏くんは流れ星じゃなくて、そう、たとえるならね。


『ポラリスって知ってる?』


北の空に、ぽつりと浮かぶ明るい星。

一晩中動かないでそこにいて、みんなに位置を知らせる北極星。


『ポラリスは、暗闇の中いつでも真っ直ぐに光る、確かな目印であり、大切な道しるべ』


きみはまるで、あの星みたいだ。


世界が本当に真っ暗にならないように、そこで光って夜空を柔らかく照らしている。

顔を上げてみたらね、いつだってそこにいてくれているんだ。ここにいるよって、言ってくれているみたいに。


だからあたしはきみに向かって歩いて行く。

怖いけど、辛いけど。ここでひとりで泣いてたって、踏み出さなきゃ何も変わらないから。


大丈夫。きっと、大丈夫なんだ。

頑張って、足を踏み出して。見つけたその先にいるきみが。

手を、伸ばして。あたしのことを待っていてくれるなら。


あたしまた、どこまででも行ける。