それがきみだって、やっと、気づいたんだ。



涙を拭いて笑うと、今度は真夏くんがぼろぼろ泣いた。

ぎょっとしたけど、慌てるよりも、あ、綺麗だ、って思ったほうが先だった。

透明で、たくさん、小さな滴がころころ落ちる。拭ってあげてもころころ。目の端にたまった大きな粒が、まばたきするたびころんって流れる。

真夏くんの、目が、もっときらきらして、本当に夜空が入り込んでしまったみたい。


綺麗だなあ。きっとずっと見てられる。

あたしだけの小さな星空。きみの目に浮かぶ、きみの、世界の景色。


「昴センパイ、好き」

「うん」

「すごく好き」

「うん」


ぎゅって、真夏くんがあたしを抱きしめた。

一番近くで温度を感じて、匂いを嗅いで、呼吸と鼓動の音を聴く。


自意識過剰かもしれないけどね、真夏くんってあたしのこと、ほんとに好きなんだろうなって思った。

なんで気づかなかったのかな。いつだってきみがくれていたたっぷりの優しさと愛情。


いつから? いつからきみはあたしのことが好きだったんだろう。

いつからあたしのこと、見ていてくれたんだろう。

見つけてくれたんだろう。