あんなに眩しかった光。それだけを、追いかけ続けていた日々。
あまりにもあたしにとってそれがすべてだったから、それをなくしたとき、叫んでも泣いても足りないくらいに、苦しくて、悲しかった。
だってもう二度と、あんなものには出会えないから。
あんなにも焦がれて、目指して、走り続けた大きな光。
たったひとつだったからこそそれはあんなにも輝いた。
だからあたしにはもう二度と見つけられない。そんなものが、他にあるはずなんてない。
あるはずなんて、なかったんだ。
「でももう大丈夫、だってね」
真夏くんを見た。真夏くんは顔を上げてあたしを見ていて、手を伸ばすと、それを掴んで立ち上がって、丸い目を何度も瞬きさせて、やっぱりあたしを、見つめていた。
こぼれた表情は、とても自然な今の気持ち。
伝わるかな、きみに。
こんなにも、あたたかな思い。
「だって、きみに会えたから」
もう、こんな世界には、何も見えないと思ってた。
真っ暗で、どうしようもなくて、怖くて仕方なかったから、あたしはただうずくまってた。
もう何もないんだって思ってたの。何も見えないんだって、そう、思い込んでいただけだった。
だけど違った。勇気を出して顔を上げれば、確かにそこには、光があった。
とても小さなものだけど、でも確かに光ってる。
こっちだよって。目印みたいに。あたしの行く先、示してくれてるみたいに。
それはいつだってあたしの頭の上で、真っ暗闇の中、光っていたの。