ボロボロ涙止まらなくて、あたし、すごくかっこ悪い。

キライにならないで、なんて言うけど、きみはなおさら呆れたかな。

笑うよね、きっと。ばかばかしくてさ。こんなの、ほんと、かっこ悪いし。


でも、もう自分に嘘、吐きたくないよ。

あたしはあたしのこと、きちんと、きみに伝えたいの。


きみがきみの世界、一生懸命、あたしに伝えてくれたように。


あたしの本当のこと、そのまんまの色で、きみに。



「昴センパイ」


真夏くんが、呟いた。

一歩だけ、前に出た足は、一歩分だけあたしときみとの距離を縮めた。

星の明かりが綺麗にきみに届いていた。まるでそのために空の上で光っているみたいに。


だから、きみの、表情が。真っ直ぐに、あたしに届く。


「おれがセンパイの何をキライになるの」


声が静かに響いた。草の先に、虫の声に、夏の風に、夜の空に。

響いて、溶けて、ゆっくり震える。


ああもうなんで、こんなにあったかいんだろうね。

くしゅっと、またひとつ草の音がして、顔を上げるときみがいて。

綺麗な顔で、優しい表情で。泣きそうに、笑ってる。


「なるわけないよ。だって、こんなにも好きなのに」