翌日もその次の日もさらにその次の日も、柊先輩と図書室で勉強した。
そのおかげで、私は前よりも授業についていけるようになり、なおかつ勉強が少しだけ好きになってきた。
そして、今日はテスト本番の前日。
つまり、明日がテストなわけなのです。
先輩だって自分の勉強があるはずなのに、ギリギリまで私のテスト勉強に付き合ってくれるらしい。
本当に優しいなぁ……。
今までのことを思い出しながら、私は今日も先輩の教室の前で、先輩が出てくるのを待っていた。
HRが終わったらしく、教室のドアがガラリと開き、中からたくさんの生徒がぞろぞろと出てきた。
キョロキョロと周りを見回し、柊先輩の姿を探す。
すると、そんな私のもとに数人の女の先輩たちが歩み寄ってきた。
「またアンタなのー?」
「えっ……」
女の先輩たちは、すごい形相で私を睨んでいる。
こ、怖い……!
だいたい予想はついているけど、何を言われても怖気づかないように心構えをしとかないと。
「あの、何か……?」
「とぼけないで。アンタでしょ?最近、内村くんの周りをウロチョロしてる2年生っていうのは」
内村……。
やっぱり、柊先輩絡みだった……!